- ポスター
Background
日本全体で高齢化が進み、地方の過疎地域を中心に、食料品や日用品といった日常の買い物に困難を抱える方が増えています。社会問題としてメディアでも取り上げられ、「買い物難民」「買い物弱者」といった言葉で報道されることがあります。
「とくし丸」は、こうした方々に向けて、週に2回ほど軽トラックで訪問する移動スーパーの取り組みです。軽トラックには、お刺身や野菜といった生鮮食品、お惣菜やお菓子、トイレットペーパーといった日用品などの生活に欠かせない品物が満載。「おばあちゃんのコンシェルジュ」を目指し、利用者のQOL(Quality of Life)を守る意義ある活動を行なっています。
そして「とくし丸」の大きな特徴が、サービスを届けるドライバーのQOLも守る、という点です。
利用者とドライバーという役割ではなく、利用者の〇〇さんとドライバーの〇〇さんという個人のつながりや会話が生まれる。「ありがとう」と声をかけられ、高齢者の生活を見守るやりがいを感じる。さらに、きちんと利益が得られるシステムを構築し、個人事業主としてのドライバーの収入もしっかり守る。関わる人ひとりひとりの生活を大切にした持続可能な仕組みが、今後さらに進む高齢化社会に向けて期待を集めるポイントです。
今回、私たちは、この仕組みに参画してくれる新しいメンバーを募るポスターとして、新しいキャリアをスタートさせようとする方の目に留まるデザインを目指しました。
Concept
「さぁ、出発。」というコピーを提案。レイアウトは余白を意識的にデザインしました。
Uターン・Iターンをしてドライバーになる方、子育てが落ち着き仕事をはじめる方、長年勤めた会社を早期退職して取り組む方、ご夫婦で挑戦する方。多様な背景や思いを持つ方々の背中を押す、「はじまり」がコンセプトです。
Packaging
トラックがどんな景色も走り抜け、あなたの元へ走っていく。そんなメッセージを伝えるため、里山と市街地の2パターンで制作しました。
朝日が昇ってくるシーンは、「とくし丸」が今まさ向かっていく様子を表現しています。
レイアウトは、ポスターが貼られるスーパーマーケットで目を惹くように情報を厳選し、広がりを持たせました。抽象度の高いイラストを採用し、社会的意義のある「とくし丸」の取り組みを、ターゲット自身の生活の中に感じてもらえるデザインとなっています。
Credit
Client:株式会社 とくし丸
Director:COYOTE Takizawa Junki
Design:COYOTE Yurika Omoto
Copywriter:COYOTE Takizawa Junki