Background
背景
日本全体で高齢化が進み、地方の過疎地域を中心に、食料品や日用品といった日常の買い物に困難を抱える方が増えています。社会問題としてメディアでも取り上げられ、「買い物難民」「買い物弱者」といった言葉で報道されることがあります。
「とくし丸」は、こうした方々に向けて、軽トラックで地域に直接訪問する「移動スーパー」の取り組みです。軽トラックには、お刺身や野菜といった生鮮食品、お惣菜やお菓子、トイレットペーパーといった日用品などの生活に欠かせない品物が満載。「おばあちゃんのコンシェルジュ」を目指し、利用者のQOL(Quality of Life)を守る意義ある活動を行なっています。
販売パートナーを募集するにあたって、まだ見ぬ仲間に認知や共感をしてもらうために、今までの採用ビジュアルと異なるとくし丸 採用ポスターのビジュアルづくりが課題としてありました。
Concept
コンセプト
わたしたちは、とくし丸の採用ポスターにおけるビジュアルづくりを通して、「新たなキャリアをスタートしようとする人の背中を、そっと押すビジュアルコミュニケーション」を目指しました。
そのために提案したのが、「さぁ、出発。」という極めてシンプルなコンセプト(コピー)です。Uターン・Iターンでドライバーになる方、子育てが落ち着き仕事を再開する方、長年勤めた会社を早期退職して新たな挑戦に踏み出す方、ご夫婦で一歩を踏み出す方。さまざまな背景や思いを抱えた人たちにとっての“はじまり”と、実際の業務風景とが重なり合う情景を、この一言に凝縮しています。
また、この言葉の裏には、個人事業主として事業を始めることへの不安があることも前提にしています。それは極めて自然で、正しい感覚です。だからこそ、その不安と同じか、それ以上に、これから始まる日々への希望や高揚を想像してほしい——そんな想いも、この一言に込めています。


Design
デザイン
デザインは、コピーの訴求力を最大限に引き出すため、「図」としての要素から装飾を徹底的に削ぎ落としています。一方で「地」となるビジュアルには、とくし丸の活動エリアに流れる空気や温度、商品を積み込み、これから出発する直前の気配を込めました。それらを山村地帯と市街地をつなぐ一本道の風景に集約することで、説明せずとも直感的に「(なんとなく)わかる」体験をつくっています。

Credit
- Client:TOKUSHIMARU inc.
- Director:Junki Takizawa(COYOTE)
- Art Director:Junki Takizawa(COYOTE)
- Design:Yurika Omoto(COYOTE)