Background
背景
浅草エリアで複数の飲食店を展開するフーテン社が、新たに立ち上げたナチュラルワインを軸とする飲食店「Dochaku」のロゴデザインを担当しました。
店名の由来となった「土着」という言葉には、その土地に根を張り、地域の文化や人々との関係を育みながら、長い時間をかけて存在していくという思想が込められています。
フーテン社は、Dochaku開店以前で、すでに浅草で3店舗を運営し、地域のなかで多くの人や時間との関係を紡いできました。新しい店舗のためだけの記号をつくるのではなく、これまで蓄積してきた営みと、今後広がっていくブランドの可能性までを受け止められるアイデンティティが求められました。

Concept
コンセプト
コンセプトは、土地とともに積み重なる時間の可視化。浅草という場所に根づきながら、少しずつ関係や営みを紡いできたフーテン社の姿を、樹木が歳月を重ねることで形成される「年輪」に重ねました。
年輪は、中心から外側へと時間を蓄積しながら成長していきます。その構造をブランドのあり方に置き換え、ひとつの完成されたシンボルを固定的に使用するのではなく、折り重なる年輪のどこを切り取っても、同じ思想を持つブランドとして成立する仕組みを構想しました。
店舗単体のロゴでありながら、将来的に「Dochaku」というブランドが複数の場所や形態へ展開していく可能性までを見据えた、拡張性・柔軟性のあるデザインを目指しました。



Design
デザイン
シンボルマークは、オリジナルで作った年輪図の上に浅草エリアの地図を重ね、店舗が位置する西浅草を中心に、不定形の楕円で切り取ることで生成しています。
均整の取れた正円ではなく、わずかに歪みを持つ楕円形のフレームを採用することで、「土着」という言葉が持つ有機的な印象や、義理人情が今も色濃く残る浅草の手触り感を表現しました。



年輪と地図という異なる時間軸を重ね合わせることで、土地の記憶と、そこで続いてきた人の営みをひとつのシンボルへと集約しています。また、年輪の切り取る位置を変えることで、新たな店舗やプロジェクトにも固有のマークを生成できる設計としました。
カラーパレットには、土や野菜、空といった自然の風景に加え、フーテン社のブランドカラーである赤を参照。店舗空間やナチュラルワインの佇まいに調和する、穏やかで温度感のあるナチュラルカラーへと調整し、ブランドの世界観を増強する色を選定しています。




Credit
Client:Futen & Co.
Art Direction:Junki Takizawa(COYOTE)
Design:Yurika Omoto(COYOTE)