株式会社meetme

土地の魅力をそのままブランドに。|「岩泉野肉/商店」マイクロブランディング

iwaizumi-noniku_キービジュアル

Background

背景

岩手県岩泉町を拠点に活動するmeetme株式会社による、ジビエブランドのマイクロブランディングプロジェクト。
プロジェクトは、「岩泉のジビエというものを、どのように扱い、伝えていくか」という問いから始まりました。
ジビエという言葉には、野生の力強さや土地固有の食文化が宿る一方で、食材としての品質や背景、生産者の姿勢までを丁寧に伝えなければ、その価値が十分に届きにくい側面もあります。
そこでCOYOTEでは、ブランドのネーミングを起点に、ECサイトのビジュアルデザイン、販促物、商品に同梱するハンティングレポートまでを横断して設計。大規模なブランド構築ではなく、限られた接点のなかで一貫した印象と体験をつくることを目指しました。

iwaizumi-noniku_ネーミング

Concept

コンセプト

「岩泉」の「ジビエ」を、そのままブランドにする。

 

岩泉で獲れた野生の肉であること。その事実を過度に装飾したり、別の物語に置き換えたりするのではなく、土地と食材の関係をそのまま掲げることが、最も純度の高い伝え方だと考え、「岩泉野肉(iwaizumi-noniku)」という名称を提案。
「野肉」という言葉には、一般的な「ジビエ」よりも生々しく、野性味のある響きがあります。岩泉という土地の名と組み合わせることで、どこで生まれた、どのような食材なのかを端的に伝えながら、字面からも力強さが感じられるネーミングとしました。
ECサイトは「岩泉野肉商店」と名付け、土地の産物を扱う商店のような親しみやすさと、野生肉を扱うブランドとしての独自性が共存する世界観へと展開しています。

iwaizumi-noniku_デザインアセット鹿

Design

デザイン

ブランドのコアアセットとして制作したのは、鳥獣戯画を思わせるタッチで描かれた鹿のビジュアルです。
岩泉周辺では鹿が主な獣種であることから、鹿をブランドの象徴として設定。写実的で重々しい表現や単調なシルエット・アイコンではなく、どこかユーモラスで動きのある姿にすることで、野生の力強さを残しながらも、生活者が親しみやすいビジュアルを目指しました。
この鹿はECサイトのキービジュアルだけに閉じたものではなく、販促物や店頭ツールなど、今後さまざまな接点で活用できる汎用的なデザインアセットとして設計。ロゴを新たにつくるのではなく、名称、言葉、イラストレーションを組み合わせながら、ブランドらしさを形成していきました。

iwaizumi-noniku_WEB
iwaizumi-noniku_WEB

また、肉の背景を伝えるための同梱物として、ハンティングレポートのフォーマットデザインも制作しました。いつ、どこで、だれが、どのように捕獲したのか。商品のトレーサビリティを大切にする姿勢を、購入者が無理なく理解できるよう、情報の構造と階層を整理しています。制作する側が更新しやすく、受け取る側も必要な情報へスムーズにアクセスできることを重視し、レポートの枚数が増えてもストレスなく内容を読み取れる、シンプルで継続性のあるフォーマットに仕上げました。

ロードサイドに設置するのぼりでは、ECサイトとは異なる環境での認知設計を行っています。「岩泉野肉」の文字を家紋のような象徴として扱いつつ、走行中の車からでも瞬間的に内容を理解できるよう、メインの言葉には、より意味が伝わりやすい「岩泉ジビエ」を採用しました。
さらに、一種類ののぼりを単独で設置するのではなく、異なる色ののぼりを連続して並べることで、ロードサイドにおける視認性と印象の定着を高める構成を提案。もう一方には、「鹿に、舌鼓。」というコピーを配置しました。
食欲を喚起しながら、一瞬だけ意味を考えたくなる言葉によって注意を引き、通り過ぎるわずかな時間のなかでも記憶に残るコミュニケーションを目指しています。
ネーミング、ECサイト、イラスト、同梱物、ロードサイドの販促物。それぞれの役割に応じて伝え方を変えながら、「岩泉の野生肉を扱うブランドである」という一本の軸で接点をつなぐことを計画したプロジェクトです。

iwaizumi-noniku_ハンティングレポート
iwaizumi-noniku_のぼり

Credit

Client:meetme Co., Ltd.|Iwaizumi-noniku-syoten
Direction :Junki Takizawa(COYOTE)
Design:Junki Takizawa、Myu Aoki(COYOTE)