トントン、カンカン。

“音”が想像を膨らませる、小さなブランドのはじめ方|一人工務店「トントン、カンカン。」マイクロブランディング

一人工務店「トントン、カンカン。」:名刺デザイン

Background

背景

自分が納得できる仕事を、コツコツと、丁寧に積み重ねていくーー

そんな想いを胸に、一人工務店として独立した職人のブランド立ち上げを支援しました。腕一本で看板を掲げるということは、営業も、見積もりも、現場仕事も、すべて自分自身で担うということ。だからこそ必要だったのは、規模や実績を語るブランドではなく、その人の誠実さや人柄が自然と伝わるブランドでした。

名前を見ただけで、手仕事への真摯な姿勢と、どこか親しみのある人となりが感じられること。そんなアイデンティティをゼロからつくることが、このプロジェクトの出発点でした。

一人工務店「トントン、カンカン。」:イメージビジュアル

Concept

コンセプト

現場に響く打音——「トントン、カンカン。」

誰もが子どもの頃から耳にしてきた(なんとなく知ってるであろう)擬音を、そのままブランドネームとして提案。

大工仕事というものを直感的に想起させながら、飾らない人柄や軽やかなユーモアまでを言葉そのものに宿しています。

難しいことは語らない。でも、確かな仕事をする。

そんな職人としての姿勢を、このシンプルなネーミングに込めました。

また、「トントン、カンカン。」には「、」「。」が含まれています。私たちはこの句読点もデザインの一部として捉え、ブランドにリズムと余白を与え世界観を増強する役割を与えました。

一打ずつ木材に向き合うように、ひとつひとつの仕事を丁寧に積み重ねていく。その時間の流れや手仕事の感覚を、名前そのものが語るブランドを目指しています。

Design

デザイン

ロゴは、空間(家)や質量(モノ)を想起させるアイソメトリックなボックス形状をベースに設計。「トントン、」にはゴシック体由来の力強さを、「カンカン。」には明朝体由来のシャープさを与え、それぞれ異なる個性を持つ文字を重ね合わせています。ハンマーが木材を打つ重厚な音は、構造的で安定感のあるフォルムで。金属音のように高く響く音は、エッジの効いた繊細な表情で表現しました。異なるキャラクターを持つ書体をひとつのロゴの中に共存させることで、同時に一人の職人の中にある「力強さ」と「繊細さ」という二面性を表現しています。

カラーには落ち着きのあるネイビーを採用。ネーミングやコミュニケーションに宿るユーモアを活かしながらも、ブランドとしての品位と信頼感を支える役割を担っています。

さらに、「トントン、カンカン。」という言葉そのものをデザインシステムとして展開。コンポーネント化された「トントン、カンカン。」を自由に組み合わせることで、名刺やSNS、販促物など、あらゆる接点で世界観を一貫して拡張できる仕組みを計画しました。

Credit

  • Client:Kazuki Kanamaru(TonTon, KanKan)
  • Director&Design:Junki Takizawa(COYOTE)